これからの時代、
土地は買う? 借りる?

家を建てる時、どんな土地を選ぶかはとても重要。 地盤の良し悪しや土地の形・広さはもちろん、周辺環境や利便性など、 いろいろな要素をしっかりチェックし、検討することが大切です。 でも、そもそも土地は必ず購入しなければいけないのでしょうか? 最近、よく耳にする「定期借地権」とは? 家づくりの基本、土地についての疑問をひも解いてみましょう。
土地選びのポイント
土地選びのポイントは大きく分けて以下の5つです。(1)交通の便がいいこと(2)教育施設がそばにあること(3)近隣の商業施設が充実していること(4)医療施設が充実していること(5)街づくり(全体としてどのようなコミュニティがつくられているか。またはこれからつくられていくのか。)
長く住む土地ですから、今は必要がなくても将来必要となる施設がそろっているか、またその街が将来どのようなコミュニティに発展していくかなど、長いスパンで土地や街を見ることが大切です。
また土地やその周辺の状況を調べるには、自分の目で確認するのがいちばんです。平日・休日、昼・夜、とくに長野は冬も、というようにいろいろな状況で見てみることが大切です。
購入する場合でも、借りる場合でも、土地選びはじっくり時間をかけて検討しましょう。
「定期借地権」とは…
そこで最近よく耳にする定期借地権。「定期借地権」とはどういったものなのか見ていきましょう。
定期借地権には、一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権・事業用借地権の3種類がありますが、一般の方がマイホームを取得する際に必要となるのは一般定期借地権です。(以下「一般定期借地権」を「定期借地権」と略して表記)
「定期借地権」は平成4年8月1日から施行された、「借地期間を50年以上と定め、土地を借りることのできる制度」です。 従来の制度ですと借地人に保護が厚く、土地所有者側には不利な面もあり、土地の有効利用が妨げられていました。それを解消するため、制度が新しくなったのです。
「定期」というくらいですから、契約期間が満了すると契約前の状態=更地にして返さなければなりません。また、「借りている」のですから賃料(地代)が月々発生します。
「定期借地権」利用のメリット
まず、土地所有者側のメリットは、一定期間が過ぎれば必ず土地が戻ってきますから、安心して土地を貸せます。また、土地の条件によっては固定資産税や相続税が軽減されるなどのメリットもあります。 一方、土地を借りる人にとっては、金銭面での負担が軽くなり、土地を購入しないで、マイホームの夢を実現できます。 以下に一つの例をあげてみましょう。
1,500万円の土地を頭金300万円で購入すると…
1,200万円を金利3.0%、35年ローンで借りるとします。すると返済額は、頭金300万円を足しておよそ2,200万円になります。さらにそこに35年分の固定資産税と都市計画税約150万円を足すと、約2,350万円。つまり、1,500万円の土地を購入するのに、およそ2,350万円の資金が必要になります。
同じ土地を定期借地で借りると…
月々支払う地代を長野県の一般相場である土地価格の0.1%とすると(地代は特に定めがありません)50年間で900万円。月々支払う金額で比較すると、土地を購入する場合は、ローン返済額 約46,000円、定期借地の場合は、地代15,000円で、月約31,000円の差額が発生します。
ただし、定期借地の場合、月々掛かる費用は地代のみですが、「保証金」などの一時金が初めに必要となるので、これほど単純ではありません。また、こういった一時金や地代は、土地価格の何%といった決まりがなく、あくまでも貸し主と借り主の合意の上で決定されます。(今回お話しをお伺いしたNPO法人長野県定期借地借家権推進機構では、地代や保証金のガイドラインを設けています。) 土地を購入する場合、長期ローンを組むと利息分だけでも大変な額になります。一方、定期借地権を利用した場合、浮いたお金を家にまわしたり学費にまわすなど、ゆとりのある生活につなげることができるのです。
定期借地権利用の注意点
では、定期借地権とは少ない資金でマイホームが手に入る魔法のような物なのかというと…。きちんと確認しておきたい点も。まず、契約期間内は地代を払い続けなければなりません。そして契約期間が過ぎたら土地は必ず土地所有者に返さなくてはなりません。原則更地に戻してから。その解体費用も借り手側が負担します。
また、どんな場合でも定期借地権を利用すると得かというともちろんそういう訳ではなく、ローンを組まずに土地が買えるなら、定期借地権を利用することで得られるメリットはさほど大きくありません。
土地は所有する時代から、利用する時代へ
既に土地を所有している場合、その土地に家を建てるなら何ら問題はありません。しかし、土地を所有していない場合、長期ローンを組み、高い金利を払ってまで、購入する必要があるのでしょうか。土地を所有していると言っても、「固定資産税」「都市計画税」を永久的に支払い続けなければならなりません…。
これまでは「土地を所有する」ということに一種のステイタスもありましたが、「土地神話」が崩れた今、土地所有にこだわらないという方も増え、また返済の不安から土地購入に伴うローン増を抑えようという意識も高まっています。定期借地権は、そんな時代の土地活用法のひとつと言えるのでは。ただし、「土地神話」が復活する可能性もあるので一概には言えませんが。
取材協力
NPO法人長野県定期借地借家権推進機構
理事 田中 正則さん
お問い合わせ先
事務局:長野市大豆島5159 TEL 026-268-2444 FAX 026-268-4411
メール:info@nagano-teishaku.com ホームページ:www.nagano-teishaku.com




