家づくりお金塾

どれくらいの予算が必要?

 家づくりが始まると、最初にまとまったお金を現金で払わなければならないのが「頭金」です。この頭金も含め、家づくりに必要な資金全額を自己資金でという人はまれで、多くの場合、自己資金+借り入れつまり住宅ローンを利用します。
  一般に購入予定の物件価格は年収の5倍が目安といわれていますが、現在のような不景気の中では、可処分所得(税金・社会保険料を引いたもの)の5倍を目安にした方がよいでしょう。また頭金は購入価格の2割位が妥当と言われています。引越しやその他の費用でさらに1割程度余分にかかりますので、3割程度の自己資金があれば安心です。

住宅ローンを組む時は

 住宅ローンを組む時には出来るだけボーナス併用払いはやめて毎月の返済に重きをおきましょう。ボーナスの比重はできるだけ減らした方がよいと思われます。またお子様がいらっしゃる場合は、中学すぎてからの教育費の負担が重くなりますので、予定する支払額で、教育費が捻出できるかどうかなど、一度ファイナンシャル・プランナー等の専門家にライフプランやキャッシュフロー表を作ってもらい、長期的な資金計画が大丈夫なのかどうか検討してもらいましょう。
  住宅購入の前に家計全般を見直すことも大切です。毎月の収入と支出を家計簿でつけて無駄な出費を抑えるようにしょう。また、住宅ローンを組む時、団体信用生命保険(団信)に加入しますと、その分死亡保障を減らすことが出来ますので、生命保険の見直しのチャンスにもなり、保険料を減らすことができるかもしれません。

住宅ローンの金利、固定を基本に考える

 不況時の今は借入金利が最低に近いと思われますので、長期の固定金利を選択しましょう。そうすると支払額が一定になりますので、金利変動のリスクはなくなります。もう少し毎月の返済額を下げたいと考える場合は、3年固定や5年固定と長期固定(20年~35年)を半分ずつ組み合わることも試してみましょう。
【住宅ローン総返済額(返済期間35年)】

上手に利用しましょう

 続時精算課税制度を利用しましょう。日本の個人金融資産1500兆円の60%位は60歳以上の方が保有しています。そこで住宅取得の資金を親から贈与してもらうと、3500万円までは贈与時に課税されません。家づくりの子供の負担が減ることになります。住宅を建てる前に住宅資金を贈与してもらえるかどうか相談してみましょう。

【住宅取得資金に係る「相続時精算課税制度」の主な適用要件】
1. 受贈者は、満20歳以上の推定相続人であること。
2. 住宅の取得・建築・増改築のための金銭贈与であること。
3. 自己居住用の住宅であること。
4. 床面積が50㎡以上であること。
5. 中古住宅は築後20年以内(耐火建築物は25年以内)または一定の耐震基準を満たしていること。
6. リフォームの場合、工事費用が100万円以上であること。

消費税

 3年後の消費税引き上げが議論されていますが、消費税が引き上げになりますと建物部分や諸費用の消費税額が増大することとなりますので、消費税の動向には目が離せません。

住宅ローンの繰り上げ返済

 住宅ローンは途中で繰り上げ返済することが出来ます。繰り上げ返済の仕方には返済期間短縮型と返済額軽減型の2通りあります。返済期間短縮型の方が、返済期間が短くなり利息の軽減効果も大きいですが、毎月の返済額は変わりません。毎月の返済額を減らしたいのであれば、利息軽減効果は小さくなりますが、返済額軽減型を利用しましょう。(住宅ローンの繰り上げ返済は金融機関により、返済の最低金額や返済手数料が違います。各社の住宅ローンをよく調べてみましょう。)
[参考]住宅ローンの借換え
以前に高い金利の住宅ローンを借りた方は、金利の低い今、住宅ローンの借換えを検討してみましょう。
借換えると得になる条件は以下の3つです。
  ○借換え前と新しく組み直す際の金利差が1%以上。
  ○住宅ローンの残高が500万円以上。
  ○住宅ローンの残り返済期間は10年以上。
以上3つにあてはまる場合はローンの借換えを考えてみましょう。

住宅ローン減税

 100年に一度といわれる金融危機で、平成21年度から住宅ローン減税が、平成20年度までと比べて大きく拡大されました。注意が必要なのは、平成21年・22年入居であると控除額が最大ですが、平成23年から最大控除額が100万円ずつ減額されていくことになります。(3月に法案成立予定ですので確認必要)また左記の繰上げ返済を利用し通算の返済期間が10年未満になってしまいますと、それまで受けていた住宅ローン控除が以後受けられなくなるので注意が必要です。


監修/(有)グッドライフ FP ステーション 
取締役社長 CFP 後藤 厚裕さん 
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