快適で、経済的。そして環境にも配慮したこれからのエコな暮らし。

快適で、経済的。
そして環境にも配慮したこれからのエコな暮らし。

ちょっと前までは、“省エネ”とか“環境に負荷をかけない”エコな暮らしは、かなり意識しないとできなかったり、コストが高かったり… といろいろ大変でした。
でも今は、エネルギーを無駄に消費しないで暮らしていくことの必要性は、誰もが認識していること。
毎日、快適に心地よく普通に暮らしていくことで、CO2の排出量を減らし、自然環境にも貢献できたら…
そんなこれからのエコな家づくり、エコな暮らしのヒントを探ってみましょう。

無理のない家。そしてなるべく自給的な家について、本気で考える時期がやってきたようです。 これからの住まいの基本は、自然からのいただき物を大切に使い、太陽光など環境負荷のない無限の恵みを活かしながら永く住まい続けること。

家全体をトータルに考えた上で、自然素材や進化する最新技術をバランスよく使いこなすことが大切です。

自然の力を呼び込む家づくり

自然素材、天然素材をうたうエコ住宅がとても増えてきました。CO2排出を極力抑え、環境負荷を最小限にするための努力が各分野でなされています。でも、もしかして、いろいろなエコ商品を部分的に取り入れてエコ気分…、なんてことになっていませんか。

すでに常識の高気密・高断熱住宅。でも、冷暖房を機械に頼りきることが前提だとしたら、これは本当にエコと呼べるのでしょうか。自然光や風の通り道を考慮した窓や庇のデザイン、夏には日陰をもたらし、冬には太陽光を取り込む工夫のある植栽が、機械ではできない効果を発揮することもあります。

また、寒暖を温度だけで判断するのも、機械頼りになりがちです。人の快、不快、そして健康への影響を左右する要素は複数で、例えば湿度。呼吸する素材を用いることで自然の調湿がなされ、温度計が示す数字よりもずっと快適な気分を得られるはずです。このように周辺の環境を含めた全体のバランスに配慮しながら、なおかつ部分部分で質の良い製品を選ぶことが大切になってきます。

例えば断熱を「蓄熱容量」から考える

家が完成してしまうと見えないので忘れがちになりますが、家にとって大変重要なのが断熱材です。外断熱か内断熱かの議論の前に、そもそも「断熱」とは何かを考えてみることも必要です。

主流はウレタンなどのボード状断熱材やグラスウールといった工業製品です。熱伝導率で断熱材の性能をみる従来の方法ですと、優れた断熱材と言うことができます。一方、例えばヴァルトが導入している、羊毛断熱材や木質繊維断熱材はどうでしょう。自然界の循環から生まれる天然材料を利用した、代表的なエコ建築素材です。

前者に比べ性能が低いように思われがちですが、実際木質繊維断熱材を使った家は、猛暑の間も室内がかなり涼しく快適であることが分かりました。理由は、熱を蓄える「蓄熱容量」が高いから。断熱材が熱を蓄えておくことで熱の移動を遅らせることができるわけです。間伐材などを有効利用できるため、これからの断熱材としても有望視できます。

パッシブデザインを見直す

最新の省エネ機器を導入してエネルギー消費量を抑える。これも大切なそしてアクティブな取り組みですが、ここでの提案はさらに原点に立ち戻ってみること。新築なら設計段階で、いかに自然の力を利用できるかをまず考えましょう。積極的に働きかけるというのではなく、あるものをいただき利用することから受動的、つまりパッシブデザインということになります。

強制換気によらない、自然の換気のための窓の向きや位置。意外に見落とされがちな窓の性能。夏の西日を遮るための工夫。冬には太陽光の恵みをふんだんに受ける工夫。調湿作用に優れた自然素材の壁材や床材の利用など、人にとって快適なことが省エネに直結するのがパッシブデザインの魅力です。リフォームでも、専門家の手が入ることにより、かなりの改善が可能になっています。

本物のエコな家づくりのために

  • ●高性能サッシ・ガラス:家全体の断熱性、気密性を左右すると言っても過言ではないくらいに重要なのが窓。窓がきちんと断熱されていなければ冷房も暖房も効果が半減。例えばドイツ式サッシは、2方向に開閉し、セキュリティーへの配慮も万全。
  • ●木質繊維断熱材:エコ住宅にとって断熱材の問題は大きかったのですが、それも解決の方向に。日本でも開発が始まっている木質繊維断熱材の可能性が注目されています。
  • ●デッキ:デッキを付ける家が多くなっています。夏の夕涼みやホームパーティーに、またはガーデンにと多様な利用方法があり視覚的にも開放感をもたらしてくれます。デッキの効用はそればかりではなく、夏の暑さ対策、冬の寒さ対策という緩衝帯のような役割を見逃すこともできません。

太陽光発電で創エネへ

時代は省エネ+創エネへ。節約だけの限界を、自分の家でエネルギーを創り出すことで超えることができるのが太陽光発電です。原子力への危惧から関心が急速に高まっているのも太陽光発電。CO2を排出しない理想のエネルギーとして認知はされているものの、まだまだよく分からない、不安があるという方のために、参考になる最新情報を集めてみました。

導入に踏み切るかどうかはシミュレーションで

関心はあるけれど、いつ導入に踏み切るかで迷っている方も多いのではないでしょうか。実は今年をチャンスと捉えることもできます。売電の価格が少しずつ安くなる見通しであるからです。

売電とは、太陽光発電による発電量が自宅等で使う電気を上回る量の発電をした際、その上回った分の電力を電力会社が買い取る仕組みのこと。昨年度48円/Kwhだった買い取り価格が、今年度は42円/Kwh(住宅用10Kw未満)。そして、導入した年の価格が10年間の固定価格になるのがポイントです。先に設置した人が不利にならないよう考慮された仕組みですから、徐々に買い取り価格を下げる予定です。

売電価格という点でみると、今年度中に設置した方が来年度よりは有利ということになります。初期投資が高額であることから少し前までは、環境への関心の高い人のこだわりのように考えられていた面もあったことは事実でしょう。ところがこの売電価格の設定によって、現在では初期投資分の回収期間は以前よりも短くなっています。

費用対効果を予測したいなら、パナソニックリビングショウルーム長野の光熱費シミュレーションが便利です。光熱費の領収書など消費額の分かるものを持参し、今のエネルギー配分で太陽光発電システムを設置した場合の将来予測を算出してもらうことができるもの。取りかかりとしてまず試してみるのもよいでしょう。

業者選びは慎重に

太陽光パネルは屋根に設置しますから、その加重をしっかり検討することはもちろんのこと、屋根を損傷することがないよう充分な注意と技術が必要です。取り付け業者選びは慎重に。地元で長い実績を持つ業者であるかどうかはひとつの目安になるでしょう。

太陽光発電能力はさまざまな要因に左右されます。例えば、真夏の強い日差しで発電量が増すと思うのは間違い。パネルの表面温度が高過ぎると発電性能は落ちてしまいます。雨や雪の影響も。よって最も発電量が多くなるのは5月と言われています。このように気温差や日照時間に影響されるため、地域によって発電量は異なります。長野県は全国的にみて太陽光発電に適した場所と言えますが、屋根の向きや勾配によっても違ってきます。設置場所に合わせた的確なアドバイスも、業者選びの参考になるに違いありません。

ニーズに合わせた製品選びを

初期費用は安く抑えたい、長期的に考えて価格は多少高くても性能優先で選びたいなど、製品選びの規準を持つことは大事です。高性能な製品であれば、価格は高くても、同じ発電量を得るためのパネル枚数が少なくて済みますから家への負担は軽減されます。特に雪の多い地帯ですと、パネルと雪の重さを考慮することも大切です。

楽しく環境と経済への負荷を和らげる太陽光発電生活

太陽光発電システムでは、自宅で電気を創り、家族が使って残った分は電力会社に売ることのできる一連の仕組みが確立されていますが、実際に売電分の電力が回っていくのは近隣の家なのです。わが家で発電した電気が、お隣の家で使われているかと思うと、ちょっとわくわくするものです。

エネルギーモニターには発電量や消費量、また売電量が表示されますから、発電生活を楽しみながら節電意識が強まるなどの副次的な効果も期待できます。将来を見据えた創エネ生活への第一歩を踏み出す好機到来といえそうです。