快適で、経済的。そして環境にも配慮したこれからのエコな暮らし。

信州の暮らしを、エコで快適に。自然エネルギーを上手に使う。

澄みきった空、緑あふれる山々、清らかな水。信州の四季の移ろいを五感で感じる。信州の豊かな自然、大切な私たちの街を守るためにも、毎日、快適に心地よく普通に暮らしていく中で、CO2の排出量を減らし、自然環境にも貢献できたら… そんなこれからのエコで快適な暮らしを、考えてみましょう。

高断熱・高気密化により、住まいの消費エネルギーを大きく削減できる省エネルギー性能の高い住まいづくりが進んでいます。省エネで経済的という考え方が、いろいろな分野に浸透し、地球環境を守る大切さが一人ひとりに広がっています。東日本大震災による電力不足をきっかけに、住まいの省エネに対する関心もさらに高まり、家づくりの段階から、省エネだけでなく創エネにも注目し、よりエネルギー消費量が少なく、家計にもやさしい、快適な生活のできる住まいづくりが一層求められる時代と言えそうです。これから冬を迎える信州では、冬の光熱費も重要なポイントです。毎日使うエネルギーのこと、しっかり考えてみませんか。

身近なエネルギー源を活用して芯からあたたかく暮らす。

あらゆる分野に影響を与え続けている東日本大震災。特にエネルギーへの懸念は、私たちの暮らしを足下から見つめ直すチャンスと考えることもできそうです。全国的には夏の節電が注目されましたが、冬を乗り切る問題も大きいのが信州。森林資源に恵まれた信州によく似合う薪ストーブの導入を今年こそ実現しませんか。専門店も増え、世界中のストーブからニーズや好みに応じて選ぶことができるようになっているのは嬉しいことです。

薪ストーブへの関心の高まり。

「理屈抜きに、薪ストーブを使っていこうという傾向になっています」と話すのは、伊那市に本社をもつ薪ストーブ専門店ディーエルディー長野ショールームの内田茂徳さん。震災以来、年齢層を問わず顕著になっているこの傾向を、内田さんは「火が嫌いな人はまずいないはず。心のどこかにくすぶっていた感情、原始的なものへの回帰欲求が表出しているのでは」と分析しています。

スイッチひとつで、表面的にはクリーンに合理的に多くの家事が片付いてしまう時代ですから、薪ストーブは趣味人のための贅沢品のようにも見られがちでした。でも、ごく身近で調達できて、何年でもストックしておける薪だけをエネルギー源に煮炊きもできる薪ストーブは、構造がシンプルなだけに災害にも強く、時代の流れや流行に左右されにくく、耐久性にも優れた未来志向の実用品と言い換えることもできるのではないでしょうか。

薪ストーブの利点と導入をためらう理由。

多くの機器が電気なしに作動しない中、薪ストーブには電気が不要という大きな利点があります。停電の続く被災地で薪ストーブが活躍した例が報告されていますし、ショールームを兼ねたディーエルディーの仙台営業所は避難所のようになり、また薪ストーブのある家に人々が集まってきたそうです。

炎のあることのやすらぎ。インテリアとしても美しい。ストーブを囲んでのあたたかい家族団らんのイメージ。薪作りや火起こしなどを子供と共に楽しめる。美味しい料理ができる等々、室内を暖めるという目的以外に、薪ストーブにはさまざまな用途や魅力があります。

その一方、導入をためらう理由も少なくありません。ひとつは煙の問題。そして匂い。いくら周辺に森林が多いといっても自分で薪の調達はできない。また自分でメンテナンスをするのが難しいのではないか、など。これらを解決できるなら、薪ストーブの魅力は一層大きくなるわけです。幸い、知識と経験、技術のある専門業者を探すことが以前より容易になっており、またストーブの種類も豊富になっています。まずは信用できるストーブ業者に相談の上、自分のニーズに合ったものを選ぶようにするのが、ストーブのあるシンプルながら豊かな暮らしへの入り口です。

薪ストーブにつきまとう負のイメージは払拭できる。

町中で煙突から煙を出すこと、近所に匂いが漏れるのではないかとのためらい。これらは、触媒方式タイプを選ぶことでほとんど解決可能です。このタイプを導入し、しっかり乾燥させた薪を使い、煙突掃除などのメンテナンスをきちんと行うことで解決することが可能です。言い換えると、煙や匂いが気になるということは、どこかに原因があるということです。メンテナンスに関しては、専門知識があってアフターサービスに力を入れている業者を見極めるのが重要です。

薪作りなど自分で薪の準備をするのが大変という方は、薪を購入することになります。ディーエルディーでは独自のサービスとして、薪の宅配サービスを行っているそうです。専用ラックに入れて置いてもらえるため、特別に広い場所を用意しなくても薪の心配もなくなります。薪の置き場所に不安のある市街地の一般住宅でも導入を検討することができる状況が整っていると言えます。
また、薪はりっぱな自然(再生可能)エネルギーで、しかも身近で安全です。間伐材を有効利用することで、森林の整備、保全、山の再生にもつながります。

本体と煙突は別々。煙突の性能が大切。

趣味的な導入を除いて一般的には、燃費が良くて場所を取らず、メンテナンスも容易な実用タイプがお勧めです。実物を見比べ、それぞれの特徴を専門家に尋ねながら、相談にのってもらうことで情報を得ていくのがベストでしょう。

意外な盲点は煙突です。良心的な業者であれば、本体にばかり目を奪われる消費者に対して、煙突の機能の重要性を説明してくれるはず。本体のメーカーが煙突をセットで扱うわけではありませんから、煙突の重要性を知らないままに品質の劣るものを購入してしまうと、最悪の場合は煙が室内に逆流するような事態に至ることもあります。

煙突選びの大切さをきちんと説明した上で、取り付けからメンテナンスまで一環して行える業者なら、トラブルにも対応できて便利でしょう。ショールームやイベントに足を運んで良い出合いのチャンスを逃さないようにすることが肝心です。

ディーエルディー 長野ショールームディーエルディー 長野ショールーム

我が家のエネルギー再考。環境負荷が小さい、進歩するガスエネルギー利用。

オール電化のかけ声の中で存在感が薄れがちだったガス。ここ数年の間に、家庭用ガス機器の改善は急速に進み、使い勝手が格段に向上、エネルギー自給に向けてのガス発電システムまでも生まれています。ロスが少なく、地球温暖化を招く二酸化炭素などの排出量も相対的に少ないのも魅力。ガスに関する最新の情報をお伝えします。

ガス機器の革命的進化

長野都市ガスの広々としたショールームには、最新のガス機器が並んでいます。燃料を本体に蓄えておく必要がないので、コンパクトでスタイリッシュなファンヒーターはガスならでは。これからの季節に一考の価値があります。ガスコンロの性能は、IHの普及が始まったころから著しく進歩し、自動の温度調節機能、安全性への配慮も万全。米の炊飯も自動で可能になり、美味しいガス火炊きのご飯も身近になっています。料理の腕を発揮できるのは炎があってこそ、という方なら目が離せない機能とデザインが揃っています。掃除の手間が大きく改善されているのも注目点です。

3月の震災以後、お客様のガスへの関心が目に見えて高まっていると、長野都市ガス営業企画グループマネージャーの市川稔さんは話しています。

エコノミー&エコロジーな都市ガス

長野で供給される都市ガスは、7割が新潟県産です。エネルギー自給率の低い日本では珍しい国産エネルギーということになります。長岡にあるガス製造所からパイプラインで運ばれる都市ガスは、そのまま各家庭でガスエネルギーとして利用できるため、エネルギーの利用率はほぼ100%。

これに対して電気の場合、発電所で発電した電気が送電線を伝わって家庭に届くまでに60%以上が失われるため、電気エネルギーとしての利用率は約37%になってしまいます。そもそも“クリーンエネルギー”とは何かを考え、環境負荷を広い視点から見ると、ガスという選択肢が浮上してきます。経済面でも、電気料金の値上げが検討されている中、供給、価格の安定性という面からも、ぜひ使ってみたいエネルギーと言えそうです。

太陽光発電とガスを組み合わせる

太陽光発電はCO2を排出しない自然エネルギーの中でも、実用性からみて一番の注目株です。売電条件が良いことに加え、震災を機に導入する方も増えていますが、実はガスによる自家発電も実用化されているのです。この両者を併用することで、エネルギーの自給自足も夢ではない時代が近付いています。

都市ガスあるいはLPガスによる発電システムは“エネファーム”。ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで電気と熱を発生させる仕組みです。発生した熱を給湯や暖房に使うことで非常に効率の良いシステムとなっています。 一般に普及するにはまだ高価なものではありますが、対象台数を8,000台と想定していた今年度の補助金枠が、たった3カ月でいっぱいになったということですから、技術面と価格面の進歩によっては一般家庭への普及もそこまできているのかもしれません。将来性に注目しておくべきシステムでしょう。

今年度中に太陽光発電を設置した場合の売電価格は42円/kWh(住宅用10kWh未満)。太陽光発電は太陽の出ている時間帯しか発電できませんので、昼間の発電量の多い時に余剰が生まれ、売電が可能になるわけですが、これにエネファームを併設すると朝・晩の発電も可能になります。昼間の太陽光のピーク時に自家消費分をエネファームにして、より多くを売電に回すこともできるようになります。
これからは電気とガスを賢く使い分けるのが、環境にやさしいエネルギースタイル。コンロ、お湯、暖房など「熱」のエネルギーはガスで、家電や照明などの電気は太陽光発電で、というようにエネルギー源を分散して危機に備えることはもちろんですが、より積極的にエネルギーを創り出すという面からも、改めてガスを見直すべき時かもしれません。

 

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