わが家スタイルのキッチン&ダイニング

家の設計図を考えるとき、あなたはまず、何を第一に考えますか?
誰だって、いろいろ悩んでしまいますよね。
迷ったら、キッチン&ダイニングからプランを考えると
自分たちらしい家づくりが見えてくるそうです。
家族みんなにとって一番大切な場所がキッチン&ダイニング。
家族がどんなふうに集まって、
どんな風に暮らして行きたいのか、
この場所を考えてみることで
「あなたの家族らしさ」が見えてくるかもしれません。



 今回は、たくさんの住宅設計を手がける萌建築設計工房の一級建築士・池森梢さんにアドバイスしていただきました。 池森さんは、キッチンは「家の司令塔=コックピット」だと言います。安らぎを中心に考えたらリビングだけど、 家全体をどのように管理し、どうやって快適に機能させていくかを考えたらキッチンはとても大切。 ある面、キッチンは「生活」の裏方を支える重要な場所でもあるわけです。 そしてキッチンの役割は家族ごとに違う・・・。そこが面白くて難しいところです。
 そこで、まずいくつかのパターンを紹介していただきながら、自分たちらしいキッチンを考えるヒントにしていきましょう。

キッチンをリビングダイニングの中央に捉えたアイランド型キッチン

 ど~んとしたお部屋の真ん中にキッチンをもってくることで、お料理している段階から、家族みんなが楽しめます。 ご主人がお料理好きだったり、家族みんなが料理を楽しむようなライフスタイルの方に最適です。 キッチンとダイニングが一体になっているので、スペースが有効に活かせ、台所仕事の孤立感がなくなります。
 このタイプでは、たとえばキッチンの周りに子供たちが宿題をやる多目的室、パソコンを据えたスペース、オープンエア感覚の テラスが配され、そのすべてをキッチンから見渡すことができます。
 ただし、キッチンは常に見える場所にあるので、片づけはきちんとしておかないと雑然とした印象になってしまいます。 収納スペースもよく考えてたっぷりと確保してください。

アイランドタイプ

対面式のダイニングとそれに続くリビングそして多目的スペース

 今、一般的に多いタイプのキッチン&ダイニングがこのタイプ。カウンターを挟んで、一応ダイニングとキッチンのスペースが分かれている ので、雑然とした感じをダイニングに持ち込むこともなく、調理時の孤立感も解消できます。 そして、キッチン&ダイニング&リビングを結ぶ要の場所に「多目的室」を設けるのもポイント。
 多目的なスペースは、とっても便利。たとえば80センチ位の段差をつけて、その高さの分を足を投げ出して座れる椅子にしたり 床下収納にしてしまいます。子供たちは子供部屋よりこういう場所が大好きです。 お母さんが料理していても見えるし、視線を遮らないようにして空間を大きく使うことで、機能的には 区別しながらも、ひとつながりの楽しさが出てきます。

対面式タイプ

そうは言っても根強い人気のキッチン分離型

 キッチンと居間をきちんと分けた分離型は、雑然としがちなキッチンと、すっきりさせておきたい リビングを最初から分けて考えるプラン。動線は長くなりがちですが、来客の多い家などでは、家族の日常とおもてなし スペースがきっちり分けられるし、お料理好きの主婦など、食器や道具の多い方でも安心です。
 ただし、どうしても面積は広くとられてしまうので、ある程度スペースに余裕のあるお宅向きかも・・・。 このタイプでも、家族の朝食用食事室はキッチンに続けておくのがベスト。

キッチン分離タイプ

仲間が集まって楽しむパーティシンクのあるキッチン

 普通に使うキッチンのシンクのほかに、作りつけのダイニングテーブルの延長に パーティシンクをつけてみると楽しさがグンと広がります。 たとえば、仲間が集まってパンを作るとか、子供たちにもちょっとお料理や盛りつけを手伝ってもらうとか・・・。 いろんな人たちが参加できるようになります。
 たとえば、駐車スペースをとった段差を上手に生かして、半階上るごとにキッチン、多目的室、子供部屋などと 展開していきます。でもやっぱり中心にあるのがキッチン。「ごはんですよ~」の声に、家のいろんなところから 返事が返ってくると思うと楽しそう。

パーティシンクタイプ

池森さんからひとことアドバイス
 キッチンはどうしてもゴチャゴチャしがちです。「キッチン&ダイニングをどこに置くか」を決めたら、 ゴミ置き場と食品庫を作っておくといいですね。あとは冷蔵庫だけでなく、炊飯器、電子レンジ、 オーブントースター、コーヒーメーカーなどの家電の置き場や、大皿の収納場所なども。 次に、洗濯機やお風呂場などの水回りの動線や、いろんなお知らせを貼っておける掲示板などをどこに置くか、 といったことも考えてみる。 とにかくキッチンは生活の中心であるということを考えていただけるといいですね。

萌建築設計工房設計

萌建築設計工房設計 有機的フロアで繋がる家